美しき日本の面影  その14 楽園の光景

 

長崎港遠景 Stilfried 撮影 着色写真

「欧米人たちに日本を楽園と感じさせた要件のひとつが、その恵まれた自然の美しさだったことはいうまでもない。」

「ポンぺは一八五七(安政四)年初めて長崎湾の風景を見たときのことを、「乗組員一同は眼前に展開する景観に、こんなにも美しい自然があるものかと見とれてうっとりしたほどであった」と記している。」

 渡辺京二 逝きし世の面影 第十一章 風景とコスモス より 

   
  
左 長崎港入口 Stilfried 撮影 着色写真 右 長崎港内 Stilfried 撮影 着色写真

  

左 長崎港遠景 Stilfried 撮影 着色写真        右  中島川風景 Beato撮影 着色写真

          

左 鎌倉 長谷寺近く   Stilfried 撮影 着色写真      右 原町田  Beato 撮影  


「われわれは夕方六時に原町田という大きな村に着き、とある茶園(日本では茶屋という)に、一夜の宿を求めた」「藁葺き屋根は棟が百合[イチハツ]の花で飾られていた。」

シュリーマン旅行記 清国・日本 第五章 八王子 より

  

左 飯山(現在の神奈川県厚木市飯山) の橋  Beato 撮影     右 東海道 生麦近く  Beato撮影  いずれも茅葺の家の屋根にイチハツ(アヤメ科の植物)が植えられている

      

左 イチハツが屋根に植えられている民家 箱根・宮城野の近く  小川一真 撮影 着色写真     右 東海道 戸塚保土ヶ谷・間の焼餅坂  Beato撮影 

「いずれにせよその光景は美しかった。モースは言う。『高くて広い、堂々たる古い萱葺の屋根が素晴らしい斜面をなして軒に達し、その上に赤い百合が風にそよいで並ぶこれ等の屋根が、如何に美しいかは、見たことのない人には見当もつかない』」 渡辺京二 逝きし世の面影 第十一章 風景とコスモス より

   

江戸近郊の寺院の仏像 撮影データ不明 着色写真

「ベルクは江戸近郊の田園の美にうたれた。『これほど優美な地方を考えることはできない』と彼は言う。『至る所に農家、村、寺院があり、また至る所に豊かな水と耕地がある。・・・・・・作地は花壇のように手入れされ、雑草は一本も見ることはできない。』」 渡辺京二 逝きし世の面影 第十一章 風景とコスモス より

 

左 江戸近郊の農家 撮影データ不明 着色写真      右 諏訪湖近くの千枚田 Fasari撮影



  Arnold Genthe 撮影 1908年

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